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2016.04.14.Thu
働く人の評価基準。
日本において従業員を評価する基準というものは、一般的に何なのでしょうか。
成果や実績はもちろん、社内での人間関係など様々あると思いますが、「長時間働いているかどうか」は根強く残る判断基準だと思います。
「長時間労働」とそれに紐づく評価制度がある限り、成果を出せる優秀な人が損を見る不思議な社会は続いてしまうのかもしれません。
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会社や組織で働く人の中で、定時に仕事が終わってキッチリと帰宅できる人はどれほどいるでしょうか。
おそらく、ほとんどの方が程度の差はあれども残業をこなす(残業せざるを得ない)日々を送っているのではないかと思います。
けれども、一方でこんな疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。
「残業しているけど、ムダに過ごす時間もあるし、自分自身の生産性は低いのではないか?」
「残業って本当に必要あるかな?」
残業代の本質は、「仕事を非効率にダラダラとこなす社員への報酬」です。
そして、それは言い換えれば、スピーディに生産性の高い仕事をしている人に対しては相対的にマイナスな評価をしているケースがあるということです。
残業代をせっせと支払っているような昔から続く企業に目を向けてみると、効率的に成果を上げて短時間で仕事を切り上げている人が数多く出世しているかと言うとそうでもなかったりします。
むしろ「上司よりも先に出社して、上司よりも後に帰宅する」姿勢を勤勉・誠実と評価して、効率的に成果を出している人よりも重宝したり、出世させたりするケースは少なくありません。
そして、長時間勤務をして残業代をもらってきた、言い換えれば非効率的な仕事をして出世した上司が同じような基準で部下を引き上げたりするので、それは筋肉質な企業になる可能性は低いでしょう。
今、かつての栄華を誇った日本企業の低迷が叫ばれていますが、これまでの評価基準に長時間の勤務を含む「社内調整が上手い」という点が大きく影響していたことも原因の一つだと思います。
残業代を支給して長時間労働を評価する仕組みは、全力で頑張って早く仕事を終わらせる人は残業代がもらえないという悲劇が待ち受け、一緒に働く職場の同僚からは白い目で見られて評価を下げてしまうという本末転倒な制度だと思います。
残業代は、従来一般的だった単純作業に端を発した制度です。例えば、文字を記入・入力する作業など「時間が成果に直結する」ような仕事です。
しかし、これはIT化や機械化によって、ロボットという強力なライバルに市場を奪われるであろう仕事です。
これから人間が主戦場としていくのは、単純作業ではない創造性が求められる仕事です。自分の頭で考えてアイディアを出し、未だ世の中にない新たな価値を生み出していく仕事が求められてきます。
もちろん、どちらの仕事も一定量の働く時間が成果を出すためには必要です。
けれども、特に創造性が求められるような仕事においては、その仕事に長い時間かければかけるほど成果に結びつくかと言えば、そうとも言えないでしょう。
次回の記事「長時間残業する人って悪じゃない? 時代遅れの評価基準は取っ払ってしまおう!?【後編】」はこちら。
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