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「絶対無理だと言われても、自分で考えて挑戦する道を選びたかった」― 木村 悠:商社マンボクサーが辿りついた世界王者への道 ―【1/4】

どんな分野であれ、世界一の座に辿りつくことは困難を極める。

例えば、それがスポーツの分野であれば数限りないプレイヤーが世界中でしのぎを削り、挑戦する頂である。

もし世界一になったプロボクサーが練習の合間に商社マンとして仕事をこなしていたと言ったら、あなたは信じてくれるだろうか。

今回取材させて頂いたのは、ボクシング世界チャンピオンでありながら都内の商社で働く木村悠さん。

紆余曲折あった彼のキャリアの転機となった挫折、そして歩みだした2足の草鞋スタイルについて伺いました。木村さんの至極の人生論をご覧ください。

― 木村 悠 (キムラ ユウ:1983年11月23日生まれ) ―
第35代世界ライトフライ級チャンピオンのボクサー(帝拳ジム所属)。ボクシングで世界王者に上り詰める傍ら、商社で正社員として勤務するサラリーマンとしても活躍するという異色の経歴を持つ。2016年4月にプロボクサーとしての現役活動を引退したばかり。アマチュア時代はアテネ五輪強化選手に指定、プロ成績は通算22戦 18勝 3敗 1分。

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世界チャンピオンのボクサーは商社勤務のサラリーマン

ーー木村さん、今日は宜しくお願いします。世界チャンピオンになった「商社マンボクサー」として、取材に引っ張りだこですね。

ありがとうございます。日本チャンピオンになった時位から取材が増えました。日本チャンピオンにならないと、世界戦が組めないというルールがあるので。

ーー正社員として会社に勤務しながら、プロボクサーで世界タイトルを獲った。ここまで全く異なる分野の仕事を両立して夢を叶えた人って極めて珍しいと思います。

そうですね。ありがたいことに良い経験をさせてもらっています。

会社員として仕事をしているうちにボクシングを始めたのではなく、自分の場合はプロボクサーとして道を歩む中で商社マンとしても仕事を始めた、というちょっと変わった経歴かも知れません。

ーーそもそも何でプロボクサーと商社での仕事を両立しようと思ったんですか?

不思議ですよね。(笑)

一つの大きな挫折がキッカケです。最初は商社マンの仕事はしていなくて、ボクシング一本でした。

プロに入ってからは勢い良く5連勝できて、6戦目で初めての黒星を喫しました。

その選手が弱かったという訳ではないのですが、想定外の敗北でしたね。プロに入ったものの、アマチュア時代とは異なる違和感を感じていました。


逃げ道を探して、プロを辞めようとしていた

練習はしっかりやっていたし、確かに勝ち星も重ねていたんですが、プロとしてどのように戦っていくかというスタンスが確立できていなくて、その選手と対峙した時には圧倒的に気持ちで負けていたことを覚えています。

その選手に負けて鼻っ柱を折られたような衝撃を受けました。お互い新人同士だったんですが、大学チャンピオンにもなっていた自分には肩書きがあって、相手は自分を倒すことで「名を売れる」というビッグゲーム、「人生が変わる」という気持ちがリング上でもビシビシ伝わってくるんです。

そこでの敗北で完全に自信を失ってしまったんです。

ーーそうなんですね。負けて闘志に火がついた訳では無かったんですね。

前向きな意欲は全然無かったです。逃げ道を探してました。色々な人に会って「もう辞めようと思うんだ」と言ってまわるみたいな。今思うとカッコ悪いんですけど。(笑)

あと、何か答えが見つかるんじゃないかと思って、ボクシングから離れてインドに1ヶ月くらい放浪したりしました。いわゆる、自分探しの旅と言われるやつですよね。(苦笑)

その時は辞めるつもり満々でした。


プロボクサーとしての「強さ」とは

ーー世界チャンピオンになった方でも、それ程どん底を見ていた時期があるんですね。そこから続けていくことになったのはどんな流れだったんですか?

色々な人に話した後、最後に家族に相談したんです。そうしたら、特にずっと自分をサポートしてくれた姉と話した時に「もう一回頑張っている姿を応援してくれている人に見せてあげるために、挑戦してみたらいいんじゃない?」と言われたんですよね。

強く頭を打たれたような感覚でした。それまでボクシングは自分のためのもので、強くなりたい、チャンピオンになりたいという想いでやってきていました。アマチュアならそれで良いのですが、プロになるとお客さんを呼んで人を魅せる必要がある、人のために自分が頑張っている姿を見せる、ボクシングを通して元気や勇気を与えるものなんですよね。

プロボクサーとして物理的に強くなりたい気持ちは以前からありましたが、「ボクシングを通じて自分を変えていって、精神的に強くなりたい」という気持ちも芽生えたんです。

姉の言葉で自分の甘さにハッと気付かされて、もう一度がんばろうって一歩を踏み出せました。

ーーなるほど。それから、もう一度挑戦しようと思った訳ですね。

そこで自分の中でスイッチが入って、違う環境に身を置いて自分を高めていこうって思ったんですよね。どうすれば自分を鍛えられるか、って考えた時にビジネスパーソンとしてもしっかりと仕事をしてみたらどうかと思ったんです。


強くなるために人間的な成長を求めた

ーーそこが岐路ですよね。一般的なボクシング選手では、トレーニング方法を変えたり、メンタル面を鍛えるためにコーチングを取り入れたりという感じだと思うんですが、どうして会社で働くこととの両立を選んだんですか?

やっぱり人間的な成長が強さにつながると思ったんですよね。周囲の友人も社会人になってみんな成長していたんです。確かにボクシングと一般的な社会人としての仕事を両立することは非常に難しいとは思っていたんですけど、ある種劇薬ですが、それくらい自分を追い込んで頑張ろうと思ったんです。実際、一心不乱に頑張っていましたが、そこから次戦のチャンスが巡ってきたのは2年後なんですよ。めちゃくちゃ長いです。普通だったら引退しています。(笑)

ーーボクシングと商社マンとしての両立は相当に大変なことだと思いますが、木村さんご自身はなぜ出来たと思いますか?

意地ですね。(笑)目先の目標に必死でした。復帰戦で自分の勝利を見てもらって、応援している人に応えたいという思いしかなかったですから。だから「いつ決まるんだろう?」って思ってたら、気付くと2年経っていたって感じです。最初から2年と言われていたら、絶対に辞めてました。

【次回の記事はこちら】
木村 悠:商社マンボクサーが辿りついた世界王者への道 ―【2/4】


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メディア編集長である藤原ユウマを中心に、Trigger運営メンバーで記事を書いています。


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