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「絶対無理だと言われても、自分で考えて挑戦する道を選びたかった」― 木村 悠:商社マンボクサーが辿りついた世界王者への道 ―【4/4】

会社員としてビジネスをしながら、プロボクサーとして世界の頂点に上り詰めた木村さん。

最終回となるこの章では、世界線前の精神状況や世界一を目指す上での考え方や心の持ちようなどを語っていただいています。

誰でもできる自己成長するための「心構え」とは一体!?

【前回の記事はこちら】
木村 悠:商社マンボクサーが辿りついた世界王者への道 ―【3/4】

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もはや日本人にハングリー精神などない

ーーそこまでブレないことは凄いことだと思います。正社員として働くことが良かったことは何でしょうか?

正社員として働くことで精神的にも金銭的にも余裕をもてることは大きかったですね。有給休暇を使うこともできるし、収入が安定することで、何かに打ち込める環境をつくれるんですよね。

ーーボクサー以外でも、俳優さんや芸人さんなど質素な生活でハングリー精神を養う人もいると聞きます。

売れるまでは食費を切りつめたり、家賃を削って努力することが後に美談になるっていうこともあるんですが、今の時代はそうではないやり方も可能になっているので、必ずしもその道だけではないですよね。

そもそも日本人はハングリーじゃないと思うんですよ。お金を稼ぎたいのであればボクシングなんてやるべきではないんです。ハングリーだからボクシングをやるっていうのはもう日本人には無いんですよね。アルバイトでも仕事次第では月に30万円、年間で350万円とか稼げる訳ですよね。それって、日本チャンピオンでも稼げないですよ。

ーーなるほど。

そう考えると、日本チャンピオンや世界チャンピオンを目指している人で「金銭」を目標としている人って極めて少ないですよね。男って強さに憧れる側面があると思いますが、僕なんかはその一心です。もはや自己実現のためです。人より目立ちたいとか、認められたいっていう自分のエゴですよ。

ボクシングをやって自分が成長していることを実感したり、違う世界が見えたりっていうことを実感できる時は魅力的ですよね。


プレッシャーを受け入れる大切さ

ーー強さへのエゴ。その究極の場所である、世界タイトルマッチってどんな感覚なんですか?

今まで色々試合やってきましたけど、世界戦だけは特別ですね。自分のモチベーションもマスコミなど周囲の反応、重圧はこれまでに経験したことの無いようなものでしたね。

プレッシャーを無くそうとかは考えないんです。プレッシャーを「受け入れる」ことが何より大切です。

ーープレッシャーを受け入れるとはどういうことでしょうか?

試合前ってやっぱり恐怖ってあるんですよ。負けるかもしれない、ケガをするかもしれない、下手すれば命の危険だってある。

その恐怖は無くならないので、受け入れてどれだけ力に変えるかということが試合でのパフォーマンスに大きく影響してくるんです。

人は「死ぬかもしれない」とか「もうダメかもしれない」という追いつめられた環境でこそ、五感が冴えて本能的な力が発揮されると思うんですね。実際に、世界チャンピオンになった先輩から試合前のイメージトレーニングについて教えてもらったのですが、その答えは「徹底的に自分が打ちのめされて負ける姿をイメージする」というものでした。

その恐怖を前提に試合に勝つプランやトレーニングを準備するらしいんです。


異色の商社マンボクサーとして辿り着いた世界チャンピオン

ーー自分が怖がっていることを受け止めてあげると。

負けるかもしれないという恐怖こそ闘争本能にスイッチを入れるトリガーのようなものなんです。恐怖を考えずに「絶対勝つぞ!」っていう考え方は一見前向きで良い様に思いますが、そういう選手は想定外のピンチにどうしても弱くなってしまうんですよね。恐怖を持って準備していると、相手の士気が高かったり予期せぬ展開になってもプレッシャーに押しつぶされないんですよね。

僕も世界戦前はプレッシャーに押しつぶされそうになりましたが、「負けたらどんな道に進もうかな?」とか考えていましたよ。(笑)

前だけ見ていると冷静さを失ってしまうので、自分の気持ちをフラットに置いて、冷静なんだけど情熱がある状態に自分を持っていくことは大事だと思いますね。

ーー紆余曲折あった木村さんのキャリアですが、目標だった世界チャンピオンになった時はどんな気持ちになるんですか?

本当にもう言い表せないんですよね。なんか気持ちの抜けたような、現実にいないような。とにかく10年ぶり位に涙が溢れた記憶だけありますね。


何も実績の無い時から自分を信じること

ーーその後、チャンピオンとして臨んだ初防衛戦で王座を明け渡す結果になりました。そこで引退を選ばれた理由を教えてください。

その先を考えてなかったんですよね。さっきも言いましたが世界チャンピオンの先のキャリアやどうしていきたいかまで考えておけずに、すぐ試合が決まってしまったというのが率直な印象です。そこは反省点と教訓でしたね。

敗戦後落ち着いて考えた時に、世界チャンピオンになった時以上の経験はこれ以上ボクシングで味わうことは極めて難しいだろうと。20年近くにいたボクシングが急に自分の側からいなくなってしまったので、今は休息期間ですね。今後についてはちょうど今あれこれ模索している所で、自分の経験を色々な方に伝えていきたいと感じています。

ーー以前の敗戦後、自分探しの旅に出られた時よりも、ご自身の精神的な成長は大きいんですね。

自分の軸もはっきりしましたが、芯ができたように感じます。これからどんな仕事をしていくにせよ「自分を高めてくれること」は最重要視していきたいですね。

ーー最後に読者の方にメッセージを頂けますか?

後悔しないためにチャレンジをして欲しいです。自分の人生においても大学時に進路に迷ったり、仕事との両立に悩んだりしながらも、辿々しく歩いてきました。

一歩進む人生と進まない人生を考えると、自分で決めて進んできた道に後悔は無いんですよね。

自分のためになる絶対的にベストな選択というものは無くて、もしあるとすれば自分を信じて自分で決めていくことなんじゃないでしょうか。

チャレンジすることは自分を成長させることにつながると思うので。

これから僕も新しいチャレンジを探していきます。見つかるまでは、商社マンとして仕事をしっかり頑張りますよ。

ーー木村さん、本日はありがとうございました!


Trigger運営事務局


メディア編集長である藤原ユウマを中心に、Trigger運営メンバーで記事を書いています。


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