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2017.03.06.Mon
「HRTech」がアツい。そんなことを耳にする機会も多くなってきましたが、先日このHRTechの分野で、また新しいサービスが発表されました。
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HRTechとは、人事領域(HR : Human Resource)の様々な課題を、テクノロジー(Technology)を駆使して解決しようとする動きのこと。
クラウドや ビッグデータ解析、人工知能(AI)など最先端のIT関連技術を使って、採用・育成・評価・ 配置を効率的にするサービスが日々産まれています。
冒頭で触れた新サービスとは、人工知能(AI)が採用面接を代わりにしてくれるというもの。
『(仮)AI面接官』と銘打たれており、提供元のタレントアンドアセスメント社によれば”企業が求める人物像や採用基準に基づき、AIが人間の代わりに採用面接を行い、応募者の資質を分析して診断結果データを提供するサービス”のようです。
同社によると、面接官をAI化することで、面接の所要時間や時間帯、場所の制約から解放されるメリットがあるとのこと。何より、面接官の個人的な印象や経験則ではなく、統一された採用基準に基づいた選考が可能になることも推しポイントとのことですが、この点は必ずしもメリットでは無いと思います。
まず、採用においては"選ぶ"だけでなく"選ばれる"側面を、求職者と企業ともに持っています。特に昨今は企業にとっては採用難の時代であり、候補者を獲りにいく戦略が求められるため、AIによっていくら候補者を分析できても、採用につながらなければ無意味となってしまいます。
また、そもそもAIを通じて採用基準を統一しなくても良いと思います。なぜなら、統一された基準で採用されたメンバーが入社後に成果を出せるかどうかは別問題だからです。
面接時の評価と入社後の活躍度合いが違う、という声は良く聞きますが、採用は極めて定性的なものです。会社は生き物と良く言ったもので、同じ会社でも時期や部署、一緒に働く周囲のメンバーによって全く異なる顔を見せるもの。
徹底的に画一的な基準で採用できているかどうか以上に、採用した人が入社後にも活躍しているかどうかを定期的に定量評価することの方がよっぽど重要です。
ですから、人口知能やビッグデータは、この様々な条件下における長期的なデータ解析をサポートする役割として活用した方が良いと思います。
言い換えれば、「自社にマッチするか」といった価値観や判断の部分は、従来通り人間が「定性的」に行いつつ、印象や直感を優先して決める形で問題ないと思います。人工知能(AI)はその判断に根拠を与えたり、アラートを鳴らすサポートとして機能すれば良くて、AIによる面接によって選考判断する採用では上手くいかないのではないでしょうか。
【(仮)AI面接官の参考動画はこちら】
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